2012年12月3日月曜日

【アートな記念写真】バック布染色中なう

日暮里で、綿生地を買って来た。天竺って銘柄になってたけど、それが繊維業界では一般的なのかな?一応220cm幅。220cmって、撮影用に光を柔らかくするためのディフューザーとしてよく使うユポって、トレペみたいなやつの幅ともいっしょやね。そういう意味でも使いやすそう。

布って折り畳めるのがいいんだけど、撮影用の持ち運びを考えると、紙管に巻かなきゃいけないんだよなあ。

とりあえず、今、キッチンで、藍染めしてるところ。よくわかんないけど、とりあえず、一晩放置してみる。実際には、何度か水洗いしてみて、適度なムラっけがでたらいいなあって思ってる。

半ば伝説的な話で、昔、ニューヨークに住んでたカメラマンが、急遽、ムラバックが必要で、セントラルパークに土を掘りにいって、泥染めで作ったなんてのを聞いたことがある。

こういう手作りって部分が大切なんだろうな。

19世紀半ば、パリで肖像写真を撮ってたカルジャやナダールの写真がなぜあんなにかっこいいのだろうってことをずっと考えていた。機材の性能って意味では、今とは比べもんにならないのにね。
いくつかある答えは思いつくが、究極のところは、写真術の最初のスタイルだったからじゃないだろうか。つまり、過去を踏襲することもできないかわりに、過去を否定する必要もなく、ただただベストスタイルを追求、できた、と。

実際、ひとつひとつの要素が、肖像写真としてベストチョイスなんだ。

まず、画面の中で、無地な背景と人物の面積比率。だいたい膝下アップ〜ウェストアップくらい。
正直、これくらいがちょうどいいよね。
現在、例えば、モデルさんや芸能人の宣材写真だと、顔がわかるバストアップ(実際には鎖骨アップで頭の頂点も入ってる) と全身写真の2枚ってのがスタイルになってる。カルジャやナダールの写真と比べると、帯に短し、たすきに長し、といった印象だ。
もちろん用途が違うんだから仕方がないのかな。顔写真なんて、いまや、インデックス用だしね。

次に背景がやや暗い、ということ。
人間の目は、明るい部分に誘導される。なので、白バックで撮影すると、背景に目がいってしまう。
そういう意味では、人の肌よりも、やや暗いくらいがちょうどいい。黒人さんほど暗いとちょっと話は別になってくるけども・・。
また日本人の肌質や好む服装の種類を前提にすると、文化的な背景も鑑みて、カラーで撮るなら、藍色か茶色だろう。ってことで、ただいま、藍染め中。茶色の方は、コーヒー染めもいいかなあって思うが、昔、木材を染めるために買った柿渋が残ってるはずなので、柿渋染めに挑戦してみようと思っている。いいかんじのムラができるといいんだけど・・・。

話を戻すと、カルジャやナダールの写真のよさは、表情が硬いこともあるだろう。
笑ったナチュラルな今風の写真を否定するわけではないが、多くの場合、やっぱこういう方がかっこいい!ファッションフォトでいうと、高級ブランドほど硬い表情になってるしね。

最後に、斜めからのライティングにより、全体的に陰影があり立体的であること。

無の状態から人物写真を考えれば、これがベストだろう。

その後、過去を否定することが新しい流行感覚でもあり、否定され、いつしか忘れ去られたような気がする。実際、単に、アンティークな古くさい印象しかなかったのもたしかだ。

とくに、デジタルではなくアナログで再現しようとしたら、単なる懐古趣味にしかならなかったと思う。
だけど今、デジタルでする再現することで、美意識を活かした純粋にかっこよさを追求した結果のクラシックスタイルとして撮影できる。

ま、今週末くらいにでも、テスト撮影してみますよ。



米原敬太郎公式サイト→http://www.yoneharakeitaro.com/

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