黒田さんは、車の専門カメラマンだった人。今、車の広告写真は、ほぼCGにとって変わられていて、残ってるものがあったとしても、パーツ撮影になってる、らしい。しかし、写真一夜あらため写真潮流企画中の僕としては、もっと攻めの姿勢でいくべきなんだぜ!なんて話題をポジティブに盛って行こうとしたんだけど、今の広告写真のあり方は、アートディレクターの指示通りになることが仕事をもらえるコツだというし、日本におもしろい広告写真は求められない、とネガティブなことをいってくるんで、いやいや、まったくないなら、俺もいわない、少ないけど、あるかないかといわれたら、ある(キリッ と言い返して、マイケルケンナで検索してもらった。
僕もあらためて見たんだけど、マイケルケンナの風景写真シリーズの素晴らしさは今更いうまでもないが、大企業の広告をいっぱい撮ってるんだよね。もちろん作家主義的な広告写真を!もちろん、日本のメーカー、日本の媒体でのものも含む。
こういうスタイルの仕事を日本人に依頼されない理由は、日本のカメラマンにも原因があるんじゃないだろうか。いわゆる使いやすい、それは消費しやすいという意味なんだろうけど、そういう広告=消費というものの考え方が蔓延しすぎている。広告写真が重視されていた時代、それは、僕の感覚だと、80年代前半〜90年代前半のような気がしてたけど、黒田さんの感覚だと、70年代後半〜90年代後半のようだった。いずれにせよ、その時代の先人が築いた広告写真という文化が、かつては輝いていた。今、それは輝いていない。少なくとも作家主義的なスタイルをプレゼンできるなにかを持たないと今後も変わらない。そんなことを話してて、黒田さんにも火がついたらしく、年内はっすがに時間がないけど、年明けに、さっそくかっこいい車の写真を撮る!って燃えてた。←こういうのが写真潮流の生み出す新しい流れかもね♪
じゃあ、黒田さんにとって、マイケルケンナの撮った車の広告写真が、いい燃料投下になったように、僕にも、なんか燃料投下してくれ!っていったら、まあこれは黒田さんの趣味なんだろうけど、アンドレ=ケルテス、デイヴィッド=ホックニー、ジャンルー=シーフの名前が出て来た。
アンドレ=ケルテスは、歪んだヌードの写真に魅かれたね。おそらくは、今だと、アルミ蒸着フィルムのぐにゃぐにゃミラーを使って歪ませた鏡像なんだろうと思う。
デイヴィッド=ホックニーは、ポラロイドでいっぱい撮って、それを張り合わせて一枚絵を構築する人なんだけど、風景を精緻に紡いだものがググッてたらでてきて、僕に撮って新しい発見でもあった。
ジャンルー=シーフは、超広角を多様してるところがいいよね!それはアンドレ=ケルテスも同じかな。
僕自身は、デジタルでの超広角により、パンフォーカスの背景を縮小させながらも、メイン被写体をアップにすることで浮かび上がらせ、HDRで画像にマテリアル感を出すというスタイルを、ひとつの答えとして導いて来た。それはそれでひとつの現在のスタイル。
加えて、飾れるポートレイトとして、19世紀半ばのパリの肖像写真のようなスタイルも最近、加えつつある。 ほら、レンブラントライトが結局のところ、一番かっこいいわけですよ。
しかしまあ、かっこいい広告写真を提案するにあたって、僕自身になにができるか、今一度、まっさらな状態から考え直してみよう。一応は、ファッションフォトとして、ああ、これだ!ってやつをね!
米原敬太郎公式サイト→http://www.yoneharakeitaro.com/
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