
取り壊していい建築物だから、現状復帰上等で、無茶苦茶できるのを羨ましく思った。そんな雑草のように生えて来るよくわからない作品って、いい意味でも悪い意味でも社会からはみ出たもので、一方、プロフェッショナルなクォリティの作品には、温室栽培された花のような、みんなが欲しがる感もある。しかし、結局、ひととおりみて、覚えてるのは、わっけわからん作品ばっかりだ。
また見たいと思ったのはいくつかあるが、まずは吉原航平さんの描く細密画。これどれくらいかけて描いたんですかって聞くと、去年から描いててまだ未完とおっしゃってた。毛筆、鉛筆、ボールペンなどなどで、ひたすら描き込んで積み上げられた夢の中の風景、といったところか。おどろおどろしいと一口に語られそうな世界観だが、一種の鬱状態にでもなりながら絵の世界に入り込んでるんだろうなあっと。
クスッとなったのは、女子美の学生グループの愉嗚呼社の作品。3Dリアル絵画だった。自分たちにも絵の具を上乗せして花の乙女が名画の中に入り込んでたので、とりあえず、ヴィーナスの誕生をリクエストしといた。
名前はメモってないが、もうひとつ覚えてる作品があって、それは、大学備品であったロッカーなどに、PCモニターを映写して、マウスが引き出しに重なったところでクリックすると、デスクトップのフォルダーが開くように、その引き出しが飛び出す作品だった。にやにやしながらいじったあと、作品の仕掛けが、隣の部屋からご覧いただけます(笑)と案内されてたので、のぞいて見ると、数名の人がうずくまってて、小さなモニターに写る観客の動きを観察しながら、人力で引き出しの中の棒を押したり引いたりしてた。
日本のアートの特徴として、“笑い”の要素があるのかもしれない。
写真は、だれかの作品ってわけではなく、学内のイーサネットを束ねたもの。
ちょうど、花みたいになってる。取り壊される建物に咲いたIT社会の花、まるでアスファルトのすきまでがんばって生きてる雑草のような気がしてきて。
米原敬太郎公式サイト→http://www.yoneharakeitaro.com/
写真の作品がイイネ!作品じゃないところが。。。
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